近年、ビジネスイベントにおいてオンラインとオフラインを融合させたハイブリッド形式が主流となりつつありますが、多くのイベント企画担当者様から「高品質な配信を実現したいけれど、予算が限られている」「専門知識や機材のノウハウが不足していて、何から手をつけていいか分からない」といったお悩みの声をよく耳にします。この記事では、そうした限られたリソースの中で、いかにしてプロフェッショナルな品質のハイブリッドイベントを成功させるか、具体的な選択肢と計画の立て方を映像収録のプロの視点から詳しく解説していきます。
目次
ハイブリッドイベント、成功させたいけど「予算」と「ノウハウ」がない…
大規模なビジネスカンファレンスや重要な発表会を担当することになり、クライアントからは「高品質なオンライン配信」という高い要求があるものの、いざ準備を始めようとすると、何から手をつけていいか分からず、途方に暮れてしまう担当者様は少なくありません。特に、オンラインとオフラインを融合させたハイブリッドイベントは、その特性上、通常のイベントとは異なる専門知識と技術が求められます。
「プロフェッショナルなイベントにしたい」という意欲はあるものの、どこまで自社で対応できるのか、また、どのような選択肢があるのかすら見えてこない状況ではないでしょうか。限られた予算の中で、期待される品質を達成するにはどうすれば良いのか、そして、もしものトラブルにどう対処すべきか。これらの漠然とした不安が、ハイブリッドイベントの成功への大きな壁として立ちはだかります。
「どんな機材が必要なの?」
いざハイブリッドイベントの準備となると、まず直面するのが「どんな機材を揃えれば良いのか」という疑問です。プロ品質の配信を実現するためには、登壇者を明るく鮮明に映し出す高性能なカメラ、会場の音声をクリアに拾い上げるマイク、複数の映像ソースを切り替えるためのスイッチャー、そして会場全体を適切に照らす照明設備など、多岐にわたる専門機材が必要です。
特に、薄暗い室内でも講演者を明るく高画質で撮影し、同時にPC画面の資料も鮮明に記録するには、それぞれの機材が持つ特性を理解し、適切に組み合わせる専門知識が欠かせません。こうした機材の選定基準や最適な組み合わせを知らないままでは、予算をかけたにも関わらず期待通りの品質が得られない、といった事態にもなりかねません。
「予算内で収まる?」
イベントの企画を進める上で、「予算内で高品質な配信を実現できるのか」という金銭的な不安は常に付きまといます。映像・音響機材の価格帯は非常に幅広く、数万円程度のものから数百万円を超えるプロ仕様のものまで様々です。どの機材が自社のイベント規模や目的に合致し、かつ適正な価格なのかを判断することは、専門知識がない担当者にとっては極めて困難です。
さらに、機材費だけでなく、見落としがちな隠れたコストも存在します。機材の運搬費、会場での設置・設定にかかる人件費、そして万が一の故障に備えた予備機材の確保費用など、これらを全て含めて予算を策定するのは一筋縄ではいきません。予期せぬ出費が発生し、最終的に予算を大幅に超過してしまうのではないかという懸念は、多くの担当者を悩ませる大きな要因となります。
「トラブルが起きたらどうしよう…」
ハイブリッドイベントの成功を左右するもう一つの大きな懸念は、イベント当日に発生する可能性のある「トラブル」です。ライブ配信中に映像が突然途切れたり、マイクの音声にノイズが入ったり、最悪の場合は音声が全く聞こえなくなったりする、あるいは登壇者のPC画面がうまく表示されないといった技術的な問題は、決して珍しいことではありません。
このような事態が発生した場合、イベントの進行が滞るだけでなく、視聴者の満足度を著しく低下させ、イベント自体の評価にも致命的な影響を与えかねません。専門の技術スタッフがいない状況で、たった一人でこれらの問題に対応しなければならないというプレッシャーは計り知れません。イベントが中断するたびに、参加者からの問い合わせや苦情が殺到する状況を想像すると、企画担当者の心には大きな不安がよぎることでしょう。
予算別、イベント成功のための3つの選択肢
前章でご紹介した「予算」と「ノウハウ」に関するお悩みは、ハイブリッドイベントを成功させたいと考える多くの担当者様が直面する課題です。しかし、ご安心ください。これらの課題は、予算規模やイベントの目的に応じて適切なアプローチを選択することで十分に解決可能です。ここでは、皆様の状況に合わせた3つの具体的な選択肢、すなわち「配信代行サービス」「機材レンタル」「自社での最低限の準備」をご紹介します。
1. 演出にこだわるなら「配信代行サービス」
イベントの品質やブランドイメージを最重視し、視聴者に最高の体験を提供したいとお考えであれば、配信代行サービスの利用が最適な選択肢となります。このサービスでは、企画段階からプロの専門スタッフがイベントに合わせた最適な機材選定や配信計画を提案し、当日の設営から運用、トラブル対応まで一貫してサポートします。
プロに依頼する最大のメリットは、複雑な機材の設営・設定に一切煩わされず、本来注力すべきコンテンツのブラッシュアップや参加者への対応に集中できる点です。さらに、高画質の業務用カメラを使用したマルチカメラ収録や、ワイヤレスマイクによるクリアな音声収録など、自社だけでは実現が難しい専門的な技術を駆使し、イベントの価値そのものを格段に引き上げます。特にビジネスカンファレンスや新製品発表会といった企業の信頼性が問われる重要なイベントにおいては、プロフェッショナルによる高品質な配信が不可欠です。万が一の機材トラブルにも専門スタッフが迅速に対応するため、主催者様は安心してイベント運営に集中できます。
2. 予算を抑えるなら「機材レンタル」
予算をできるだけ抑えたい場合、機材レンタルは非常に魅力的な選択肢となります。この方法の最大のメリットは、必要な機材を必要な期間だけ借りられるため、初期投資を大幅に削減できる点です。しかし、レンタルは低コストである反面、機材に関するある程度の知識と運用能力が求められます。搬入・設置から当日の操作、そしてトラブル対応まで、すべて自力で行う必要があります。もし機材の扱いに不慣れな場合、期待通りの品質が得られなかったり、予期せぬトラブルに対応できなかったりするリスクも伴います。
3. 自社でやるなら「最低限これだけは揃えよう」
継続的にイベント配信を行いたい、または社内に技術的な知識を持つ人材がいる場合、自社で配信環境を構築することも選択肢の一つです。高価なプロ機材を全て揃える必要はありませんが、一定の品質を確保するためには「カメラ」「マイク」「スイッチャー(またはキャプチャーボード)」「照明」の最低限の機材が必要です。初期投資はかかりますが、長期的に見ればコストを抑えつつ、柔軟なイベント開催が可能になります。ただし、機材の選定や設定には専門知識が求められるため、事前に十分な情報収集とテスト運用を行うことが成功の鍵となります。
ミニマムスタートにおすすめの機材セット
まずは自社で小さく始めてみたい、という方のために、必要最低限の予算で高品質な配信が実現できる機材セットを具体的にご紹介します。
カメラ:SONY α6400 (カメラ本体)+ SEL1650(別売りレンズ)
プロ仕様のミラーレス一眼カメラで、背景をぼかした美しい映像が簡単に撮影できます。
後継機種のα6700も販売されていますが、コストパフォーマンスもよく、十分こちらでスムーズな撮影が可能です。また、オートフォーカスの性能が高く、登壇者が動いてもピントがずれないため、一人での運用でも安心です。付属のレンズでも十分なクオリティですが、明るい単焦点レンズを追加すると、よりプロのような映像表現が可能になります。
マイク:RODE Wireless Go II
引用:RODE公式サイト
ワイヤレスで使えるピンマイクのセットです。登壇者の胸元にクリップで装着するため、周囲の雑音を拾いにくく、クリアな音声を収録できます。コンパクトで扱いやすく、初心者でも簡単にセットアップが可能です。
スイッチャー:ATEM Mini Pro
複数のカメラやPC画面を切り替えるビデオスイッチャーです。HDMIケーブルを接続するだけで、プロのような映像演出が可能です。また、PCに接続すれば、YouTubeなどへのライブ配信も手軽に行えます。
この他にも配信用のソフトが必要になりますが、OBS Studioのような無料の配信ソフトウェアとPCだけでも最低限の配信は可能です。
失敗しないイベント計画の立て方:プロの視点を味方につける
イベントを成功させるためには、どのような機材を選ぶかはもちろん重要ですが、それ以上に「どのようなイベントにしたいか」という明確な目的と、それを実現するための入念な「計画」が不可欠です。プロフェッショナルは、単に最新の機材スペックを追い求めるのではなく、イベントの核となる目的や、どのような層の参加者に届けたいのかを深く掘り下げた上で、最適な配信計画を組み立てます。
企画段階から考える「最適な配信方法」
イベントの企画を始める際には、まず「なぜこのイベントを開催するのか」という目的を明確にすることが何よりも大切です。例えば、新規顧客のリード獲得が目的なのか、既存顧客とのエンゲージメント強化なのか、あるいはブランドイメージの向上や新製品の発表が目的なのかによって、最適な配信方法は大きく変わってきます。
目的が定まったら、次に「ライブ配信」と「オンデマンド配信」のどちらが適しているかを検討します。リアルタイムでの臨場感や参加者とのインタラクションを重視するならライブ配信が有効ですが、参加者の都合の良い時間に視聴してもらいたい、あるいは編集を加えてより洗練されたコンテンツを提供したい場合はオンデマンド配信が適しています。さらに、視聴者との双方向性をどのように確保するかも重要な要素です。チャット機能でのコメント受付、リアルタイムでのQ&Aセッション、アンケートやクイズアプリの活用など、さまざまなインタラクションツールがあります。これらをイベントの目的に合わせて適切に組み合わせることで、視聴者のエンゲージメントを高め、より記憶に残る体験を提供できるようになります。
まとめ
ハイブリッドイベントの成功は、決して潤沢な予算や高度な専門知識がなければ実現できない、というわけではありません。本記事でご紹介したように、「プロへの依頼」「機材レンタル」「自社での準備」という3つの主要な選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。重要なのは、ご自身のイベントが持つ「目的」と、利用可能な「予算」を明確にし、その上で最適な方法を見極めることです。
「自社に最適な選択肢が分からない」「専門家に一度相談してみたい」そうお考えの方へ、JCGでは無料でのご相談を受け付けております。イベントの規模や目的、お悩みをヒアリングし、プロの視点から最適なソリューションを提案させていただきます。どのようなことでも、お気軽にお問い合わせください。

