2020年6月にリリースされて以降、競技性の高いFPSタイトルとして高い人気を誇る『VALORANT』。海外だけでなく、日本でもその人気が高まりつつあります。
2022年にはプロゲーミングチーム「ZETA DIVISION」が日本勢初となる世界大会ベスト4の快挙を達成したことが一般メディアでも報じられ、その認知を一気に拡大しました。
この年、さいたまスーパーアリーナで開催された国内大会「2022 VALORANT Champions Tour Challengers Japan Stage2」のPlayoff Finalsは、2日間で動員2万6千人を突破し、国内eスポーツ史上最多動員記録を達成。Youtube・Twitchでの配信(公式ミラー含む)においても、最高同時接続者数が合計50万人超を記録しました。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000412.000024470.html
このことからも、プレイヤーだけでなく観戦者の数が非常に多い人気タイトルとして、配信やeスポーツシーンでの注目が集まっています。
『VALORANT』とは
『VALORANT』はライアットゲームズ(Riot Games)が開発・運営する、5v5の対戦型タクティカルFPSです。近未来の地球が舞台とした、スタイリッシュで競技性の高い、キャラクターベースの作品を目指して制作されました。
そのため、Valveの『カウンターストライク』シリーズに代表される、いわゆる「爆破FPS」と呼ばれるジャンルに属す硬派なゲーム性に加えて、性能の差異と個性豊かなキャラクター性を持つエージェントが多数登場することが特徴的です。
はじめてそのプロジェクトがお披露目されたのは、2019年10月のこと。ライアットゲームズが『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の10周年記念イベントで、「Project A」として開発中であることを発表しました。その後、2020年3月に現在のタイトルである『VALORANT』として正式発表されています。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000024470.html
2020年4月にはクローズドベータが実施。同年6月2日には、Windows向けに世界同時リリースされています。正式発表からリリースまでが短かったものの、コンソール版(PlayStation 5、Xbox Series X/S)が正式リリースされたのは2024年8月と間が空きました。
人気作がひしめくFPSタイトルとしては比較的、若い歴史の『VALORANT』ですが、2021年からすでに通年の公式世界大会「VALORANT Champions Tour」(VCT)が開始されているなど、eスポーツとしての展開が強いものでした。
eスポーツの側面は、その高いセキュリティ理念にも現れています。『VALORANT』は最高峰のチート対策により、高い水準で安全性と競技性を実現していることでも有名です。
チートを検出する手段として、OSの中核部分を担うカーネル上に常駐する独自のゲームセキュリティソフト「Vanguard」が採用されており、他タイトル以上に徹底した対応が取られています。
2025年2月5日には、Vanguardが「1秒あたりのBAN数」について、新記録を樹立したことを報告。増加傾向にあった違反者を強固なセキュリティにより締め出し、チーターが存在するランクマッチの試合の割合を全世界で1%未満まで抑えているようです。
参考:ライアットゲームズ開発ブログ:
https://playvalorant.com/ja-jp/news/dev/vanguard-hits-new-bans-per-second-record/
爆破FPSとは?
PCゲームプラットフォーム「Steam」の運営で知られるValveの代表的FPS『ハーフライフ』 (Half-Life)。そのMODコンテンツとして1999年に誕生した『カウンターストライク』は、2000年に独立した作品として発売されると、爆破FPSの草分け的な存在として大きな人気を獲得していきます。
共通するルールは、プレイヤーが攻撃側と防御側に分かれて、それぞれの立場で戦うかたち。片方を全滅させるほか、攻撃側はマップ内の目標を爆破することを目指し、防御側はそれを阻止します。複数ラウンドで展開され、倒されると同ラウンド中には復活できないため、1プレイのヒリヒリ感が強く味わえます。多くの場合、交戦から決着までの時間が非常に短いものとなっています。
総じて競技性が高く、人気FPSのゲームモードのひとつとして採用されることも珍しくありません。(例:『コール オブ デューティ』シリーズのサーチ&デストロイなど)
『VALORANT』の最も基本的なモードである「アンレート」では、1試合全25ラウンド・13本先取の5vs5マッチをプレイすることが可能です。マップ内に複数用意されている目標にスパイク(爆弾)を設置し、時間経過で爆破することを目指すアタッカーと、それを阻止し、設置された際には解除を目指すディフェンダーに分かれて戦います。前半12ラウンドが終了すると、攻守が交代します。
キャラクターコンテンツとしても親しまれる
『VALORANT』は前述の通り、近未来を舞台にしたスタイリッシュな雰囲気の世界観が特徴のひとつです。エージェント(キャラクター)ごとに異なるバックボーンが設定されているのに加え、それが性能の差異としてプレイ体験に影響し、爆破FPSとしての戦略に幅を広げています。
公開されるシネマティックトレーラーでは世界観が徐々に開示されており、エージェント同氏の関係性や、ゲーム内で起きがちな「キャラ被り」に納得性を持たせる要素など、つくりこまれた設定が垣間見えるようになっています。
ブリザード・エンターテイメントが開発し、2016年に発売したチーム対戦アクションシューティング『オーバーウォッチ』、および2022年リリースの『オーバーウォッチ2』がヒーロー(キャラクター)を前面に押し出していたこともあり、比較されることもしばしば。
硬派なゲーム性ながら、キャラクターコンテンツとしても楽しめることで、多角的な楽しみ方を可能にしたことが、人気となった要因のひとつに挙げられそうです。このため、キャラクターのグッズ展開も少なくありません。
これまでに実装されたエージェント(キャラクター)
各エージェントは、ヒットボックス(当たり判定)や体力など、基本的な部分は共通しており、キャラクター差が生まれない仕組みです。
一方で、それぞれ固有スキル(3つの通常スキルとアルティメットスキル)があり、得意分野によってデュエリスト、センチネル、イニシエーター、コントローラーといった役割(ロール)に分類されています。
2020年4月7日 ブリムストーン (Brimstone)

2020年4月7日 ジェット (Jett)

2020年4月7日 ソーヴァ (Sova)

2020年4月7日 セージ (Sage)

2020年4月7日 フェニックス (Phoenix)

2020年4月7日 サイファー (Cypher)

2020年4月7日 ヴァイパー (Viper)

2020年4月7日 オーメン (Omen)

2020年4月7日 ブリーチ (Breach)

2020年4月7日 レイズ (Raze)

2020年6月2日 レイナ (Reyna)

2020年8月4日 キルジョイ (Killjoy)

2020年10月13日 スカイ (Skye)

2021年1月12日 ヨル (Yoru)

2021年3月2日 アストラ (Astra)

2021年6月22日 KAY/O

2021年11月2日 チェンバー (Chamber)

2022年1月11日 ネオン (Neon)

2022年4月27日 フェイド (Fade)

2022年10月18日 ハーバー (Harbor)

2023年3月7日 ゲッコー (Gekko)

2023年6月27日 デッドロック (Deadlock)

2023年10月31日 アイソ (Iso)

2024年3月26日 クローヴ (Clove)

2024年8月29日 ヴァイス (Vyse)

2025年1月9日 テホ (Tejo)

2025年3月6日 ウェイレイ(Waylay)

まとめ
世界各国で高い人気を誇る『VALORANT』。今後も、新たなキャラクターや物語が開示されていきます。2025年3月には新エージェント「ウェイレイ」が追加されたほか、リアルイベントとしては日本初のポップアップストアなども開催されており、ゲーム内外でまだまだ新しい展開が期待されます。
もちろん、競技性の高いタクティカルFPSとして、今年の競技シーンからも目が離せません。
1年を通して熱い戦いが繰り広げられる『VALORANT』の競技シーンにどのようなチームが出場し、どのような活躍を見せてくれるのか、ぜひ2025シーズンの動向に注目してみてください。
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