コロナ禍を契機に、企業のIR活動において決算説明会のオンライン配信は不可欠な手段となりました。本ガイドは、IRご担当者様が抱える不安を解消し、投資家との信頼関係を築くオンライン説明会を自信を持って企画・実行するための完全ロードマップです。
目次
オンライン配信の基本と戦略的メリット
決算説明会オンライン配信とは?
企業の財務状況や事業戦略をインターネットを通じて報告するIR活動です。会場形式と異なり、遠隔地から多くの関係者が参加できる点が特徴です。
- ライブ配信: リアルタイムでの質疑応答が可能。双方向性を重視する場合に最適。
- オンデマンド配信: 事前収録・編集により、高品質なコンテンツを提供。
- ハイブリッド配信: 会場の臨場感とオンラインの利便性を両立。
IR活動を強化する3つの戦略的メリット
1. 国内外の幅広い投資家にアプローチ
地理的な制約を取り払い、国内の個人投資家から海外の機関投資家まで、視聴機会を大幅に拡大できます。これにより、株主基盤の強化と企業の透明性向上に貢献します。
2. コスト・運営の手間を大幅に削減
会場費、印刷費、移動費といった物理的なコストが不要になります。運営にかかる時間と労力も削減できるため、IR担当者はコンテンツの質を高める作業に集中できます。
3. コンテンツの二次利用と継続的なIR活動
配信動画をIRサイトにアーカイブ掲載することで、いつでも情報提供が可能です。要点をまとめたクリップをSNSで発信するなど、コンテンツを多様に活用し、IR活動のロングテール効果を生み出します。
配信形式は3種類!自社に合ったベストな方法を探る
| 形式 | 特徴 | メリット | デメリット |
| ライブ配信 | リアルタイムで情報提供 | 双方向性、エンゲージメントが高い | 配信トラブル、修正がきかない |
| オンデマンド配信 | 事前に収録し、後日公開 | 高品質な編集、トラブルリスクが低い | リアルタイムな対話ができない |
| ハイブリッド配信 | 会場開催とライブ配信の併用 | 臨場感と利便性を両立し、リーチが最大化 | 最も高コストで運営が複雑化する |
導入と実行:成功に導く5つのフェーズ
初めてのオンライン配信でも安心できるよう、計画的な準備を進めるためのロードマップを解説します。
フェーズ1:目的と体制の明確化(戦略策定)
決算説明会の目的(例:新規資金調達、既存株主との関係強化)とターゲット層を明確にします。この段階で、配信方式(ライブ、オンデマンドなど)を決定し、内製(自社)か外注(代行会社)か、自社のリソースと予算に基づき制作方法を選定します。
フェーズ2:コンテンツ制作と配信環境の準備
コンテンツの準備
目的とターゲットに基づき、プレゼン資料を作成します。オンライン視聴を前提とし、文字は大きく、図やグラフを多用した視認性の高いスライドを心がけてください。
機材と環境の準備(内製の場合)
安定した高速インターネット回線(有線LANを推奨)は必須です。クリアな音声を届けるための外部マイクと、プレゼンターを鮮明に映す高画質カメラ、照明を準備します。
フェーズ3:開催の告知と参加者管理
企業のIRサイトへの掲載を基本とし、プレスリリース、メールでの直接案内、SNSなどを活用して、開催を積極的に告知します。告知文には視聴URL、アジェンダ、質疑応答の参加方法を明確に記載します。
フェーズ4:本番同様のリハーサルの実施
オンライン配信の成否はリハーサルにかかっています。本番で使う機材と環境、全スタッフが揃った状態での「通しリハーサル」を必ず行います。映像・音声、スライド切り替え、トラブル発生時の対応を細部までシミュレーションし、不安要素を解消します。
フェーズ5:配信本番とアフターフォロー
配信当日は、開始30分前には最終チェックを完了します。終了後は、速やかにアーカイブ動画をIRサイトで公開します。また、視聴データ(視聴者数、視聴時間など)を分析し、次回の改善点を見つけ出すことで、持続的なIR活動へと繋げていきます。
投資家の信頼を高める!配信の質を向上させる3つの秘訣
1. 視聴者目線でストレスのない高品質な視聴体験
内容がいかに優れていても、映像や音声の乱れは企業の信頼を損ないます。高品質な外部マイクでクリアな音声を届け、適切な照明と高解像度カメラで登壇者の表情を鮮明に映し出しましょう。安定した映像と音声の提供は、プロフェッショナルな印象を与える上で極めて重要です。
2. 簡潔さと視覚化を追求した資料設計
オンラインでは視聴者の集中力が途切れやすいため、1スライドあたりの情報量を絞り、要点を明確にします。複雑な財務データや事業計画は、グラフやインフォグラフィックを効果的に活用し、視覚的に直感的に理解できるように工夫しましょう。
3. 質疑応答の時間を設け、双方向の対話を促進
決算説明会は対話の場です。チャット機能や専用フォームで質問を効率的に受け付け、質疑応答の時間を十分に確保します。経営陣が質問に真摯な姿勢で分かりやすく回答することで、投資家との信頼関係を深めることができます。
失敗しない!配信代行会社の選び方3つのポイント
外注する場合、パートナー選びが成功を左右します。以下の3点を重視して選定しましょう。
ポイント1:IRイベントの配信実績が豊富か
IRイベントは機密性と正確性が求められるため、一般的なウェビナー配信経験だけでは不十分です。決算説明会の配信実績が豊富で、IR特有の要件や法規制に深い理解を持つ業者を選びましょう。
ポイント2:企画からフォローまで包括的なサポート体制
単なる技術的な代行ではなく、企画段階からのコンサルティング、資料作成支援、本番リハーサルの実施、配信後のアーカイブ対応まで、一貫したサポートを提供しているか確認します。これにより、社内担当者の負担を大幅に軽減できます。
ポイント3:費用とサービス内容が明確であるか
複数の会社から相見積もりを取り、提示された金額に機材費、人件費、動画編集費用など何が含まれているかを詳細に確認してください。後から追加費用が発生しないよう、料金体系の透明性が高い業者を選びましょう。
まとめ
オンライン決算説明会は、コスト削減、幅広い投資家層へのアプローチ、そしてコンテンツの二次利用を可能にする、現代のIR活動に不可欠な手法です。本ガイドで解説した5つのフェーズと質の向上秘訣を参考に、安定した配信と双方向コミュニケーションを実現し、企業の透明性と魅力を最大限に伝えてください。
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