eスポーツがオリンピックへ採用!
これまでのIOC主催のeスポーツ大会とは
2025年にサウジアラビアでのeスポーツオリンピック開催が発表され、注目が集まるeスポーツ。
IOCはこれまでに2回eスポーツでの競技大会を開催しています。
1回目は2021年5月~6月にかけて開催された“オリンピック・バーチャルシリーズ”で、2回目は2023年6月に行われた“オリンピックeスポーツシリーズ(Olympic Esports Series:OES)”です。
今回は2回目であり、2023年6月23日~25日にシンガポール・サンテクック国際展示場で開催されたOESを詳しくご紹介します。
2025年開催の「オリンピック eスポーツゲームズ」についての解説はこちら。
関連記事:2025年開催予定の「オリンピック eスポーツゲームズ」とは?IOCとサウジアラビアが提携してeスポーツがオリンピック化!?
eスポーツの競技種目と大会形式
種目:ゲームタイトル
アーチェリー:Tic Tac Bow
サイクリング:Zwift
射撃:フォートナイト
セーリング:バーチャルレガッタ
ダンス:JUST DANCE
チェス:Chess.com
テコンドー:Virtual Taekwondo
テニス:Tennis Clash
モータースポーツ:グランツーリスモ7
野球:WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球
エキシビションマッチ
卓球:Eleven VR
トライアスロン:Zwift
バスケットボール:NBA2K23
その他:ロケットリーグ、ストリートファイター6
日本のeスポーツ選手の成績
日本代表は金1枚、銀1枚、銅1枚という結果になりました。獲得した競技は下記のとおりです。
アーチェリー:銅
野球:金、銀
アーチェリー:Tic Tac Bowの試合の様子
アーチェリーのTic Tac Bowでは象先輩選手がアメリカのdchan選手に敗れたものの、3位決定戦にてイギリスのLa1MJT選手を降し、3位となりました。
Tick Tack bowとは
3×3に配置された的をアーチェリーで射抜き取り合うゲームで、先に縦または横、斜めに3マス取ったプレイヤーの勝利になる〇×ゲームのようなルールです。
中心の近くを射抜いたほうが得点が高く、すでに取られている的でも、より中心近くを射抜くことで奪い取れます。
9回のショットが終わった段階で、両プレイヤーが3マスをそろえられていない場合、より得点の高いプレイヤーの勝利になります。
野球:WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球の試合の様子
野球のWBSC eBASEBALLパワフルプロ野球ではしょーら選手、タイジュ選手の日本人による日本選手同士の決勝戦となりました。
試合はしょーら選手が初回4得点、2回2得点の猛攻を見せ勝利、見事金メダルを獲得しました。
そのほかの結果はオリンピック公式サイト(外部リンク)よりご確認ください。
eスポーツオリンピックシリーズの効果
第141回IOC総会でのIOC会長トーマス・バッハ氏のスピーチ(※1)にて、OESでは50万人を超える参加者が集まり、全てのライブチャンネル累計で600万回以上の視聴が行われたと発表されています。また視聴のうち75%が13歳~34歳までであったと明かしています。
(※1)時事通信ニュースより(外部リンク)
IOCがeスポーツでオリンピックを開催する経緯
2017年にSouth China Morning Postが掲載したインタビュー(※2)にてトーマス・バッハ氏は「バーチャルでサッカーなど、ほかのスポーツをプレーして競争している人々に大きな関心がある」と述べています。さらに2021年にIOC総会にて採択された2025年に向けてのロードマップである“オリンピック・アジェンダ2020+5”にて「バーチャルスポーツの発展を促し、ビデオゲームコミュニティとの関わりを深める」と提言されています(※3)。
これらは若年層に人気の高いeスポーツをオリンピック競技に採用することで、若い人たちにもスポーツに触れてもらいたい、という意図があるようです。
またeスポーツの成長に伴うトッププロ選手たちの競争の激化にも触れており、IOCによる支援を目指すという言葉もあります。
(※2)South China Morning Postインタビュー(外部リンク)
(※3)オリンピック・アジェンダ2020+5(外部リンク)
オリンピックへのeスポーツの取り組み
オリンピック関連の取り組みとして、オリンピックeスポーツシリーズに先駆けてアジアオリンピック評議会(Olympic Council of Aisa:OCA)がアジア競技大会に正式種目としてeスポーツを採用しています。
2018年にジャカルタ・パレンバン大会で公開競技として実施され、2023年に開催された杭州大会で正式に採用されました。この大会には日本からもリーグ・オブ・レジェンド、PUBG Mobile、ストリートファイターVの3部門に選手が出場しています。
またIOCは2023年9月に“eスポーツ委員会”を新設しており、10月にはeスポーツ大会である“Olympic eSports Games”の創設を計画していることを発表しました。
2025年にオリンピックとして初のeスポーツ大会「Olympic Esports Games」を開催!
国際オリンピック委員会(IOC)は2024年7月12日、サウジアラビア国内のオリンピック委員会(NOC)と提携し、同国で2025年に第1回オリンピックeスポーツ大会(Olympic Esports Games)を開催することを発表しました(※4)
この発表と、2024年パラリンピック大会の前夜に開催されるIOC総会での決定を受けて、開催に向けた動きが本格的に開始されていくと報告されています。
発表にはIOC会長であるトーマス・バッハ氏や、サウジアラビアオリンピック・パラリンピック委員会会長でもあるアブドゥルアズィーズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子、同委員会理事であり女性委員会の会長でもあるリーマ・バンダル・アル・サウード王女からもコメントが寄せられており、大会への注目度がうかがえます。
※4)IOC公式ホームページ「IOC announces Olympic Esports Games to be hosted in the Kingdom of Saudi Arabia」
まとめ
ついにオリンピックへ採用されたeスポーツ。
性別や年齢、言語の壁を越えるコミュニケーションツールとしても注目を集め、国際間だけでなく、世界に支部を持つ企業や、幅広い年齢の方が働く施設でもレクリエーションとしても採用が始まっています。
2025年のeスポーツオリンピックをより楽しむためにも、ぜひeスポーツで色んな方と交流を深めてみませんか?
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