eスポーツのプロチームってどんな活動をしているの?
近年注目され始めているeスポーツ。時には数億円にも上る賞金を手にすることもある彼らですが、普段は選手やチームとしてどんな活動をしているのでしょうか。
今回は活動内容や収益の一例を解説していきます。
eスポーツプロチームのスタッフ
第一線で活躍するプロゲーミングチームには、選手以外にも管理職や営業職、メンタルケアのスタッフなど、一般企業と似た体制を持つチームもあります。
今回はeスポーツ独自の職種と業務内容の一例を紹介します。チームの規模によっては各役割を複数名で分担したり、兼任する場合もあります。
マネージャー
コーチとともに選手の管理を行います。またチームへの仕事の依頼など、外部からの連絡を取りまとめる役割です。チームメンバーのSNSや配信での言動など、チームからの発信についてもマネージャーが確認を行っている場合が多く、チームの窓口的な役割です。
コーチ
チームのゲームプレイにおける方針や大きな戦略の決定を行う役割です。特にチームゲームでは選手の入れ替えなどについても考える必要があるため、影響力が高くなります。また練習や大会参加についての調整や管理も行うチームの管理職です。
アナリスト
自チームはもちろん、他チームの情報を収取し細かく分析する役割です。またコーチとともに方針や戦略を立案します。特に事前に対戦相手が決まっているリーグ形式の大会では対戦相手への対策が非常に重要なため、影響が大きく重要視されます。
プレイヤー
実際にゲームプレイを行い、その素晴らしいプレイによってファンを作る役割です。プレイだけでなく、配信やイベントへの出演を通してより多くの方にチームやゲームの魅力を伝えます。
プロチームの活動内容
プロ選手の1日
eスポーツ選手の練習時間は長くとられる場合が多いです。特にFPSやMOBAなどチームゲームの場合は個人練習とチーム練習が分かれており、さらに他チームとの練習試合(スクリム)や反省会が行われます。
個人、チームでの練習はゲームをプレイする人が多くなる時間帯が夜であるため、対戦回数や質を確保するために夕方~夜に行われる場合が多いです。一方スクリムはチーム同士の都合を合わせるために、昼~夜の幅広い時間に行われます。
全体では15時間ほどゲームの練習時間がとられています。個人差はありますが、8時間以上の練習時間をとっているチーム・選手が多いようです。また個人練習の時間を動画の撮影やライブ配信など、チームの広報活動やセルフブランディングにあてることもあるため、ゲームに触れる時間は10時間を超える場合が多くなります。
eスポーツのプロチームの目標は世界のチームを倒すことであるため、世界基準での練習量や内容が求められています。
プロゲーミングチームのビジネス面
複数のゲームタイトルにまたがりチームを作成し、多くのスタッフや選手を抱えているプロゲーミングチーム。どのように収益を上げているのでしょうか。
賞金
eスポーツには数億円にも上る賞金が設定されている大会もあります。ただし、獲得できるチームは上位数チームと非常に限られている場合がほとんどのため、安定的な収入ではなく、ボーナスのような立ち位置となります。
参考: eスポーツ高額賞金ゲームランキング2023年度版!ゲーム別に大会もご紹介!(サイト内リンク)
所属リーグからの分配収益
eスポーツの大会の中では、フランチャイズ化したプロリーグ制を行っているゲームタイトルもあります。FPSゲームコールオブデューティー公式プロリーグである“Call of Duty League”やオーバーウォッチ公式プロリーグの“Overwatch League”などが当たります。
また国内でも、NTTドコモ社が主催するeスポーツリーグ“X-MOMENT“(※1)など、リーグからの給与サポートという形でチームが収益をあげる仕組みが見られます。
(※1)参考:X-MOMENT公式サイト(外部リンク)
動画・配信での収益
所属するプロ選手やインフルエンサーたちのライブ配信での収益です。動画サイトとしてYouTubeが有名ですが、ゲームのライブ配信ではTwitchという配信プラットフォームの人気が高く、“ストリーマー“と呼ばれるライブ配信を中心とするインフルエンサーが活躍しています。
彼らの配信での広告視聴回数や、チャンネルへのサブスクライブ、“スーパーチャット“や”ビッツ“と呼ばれるプラットフォームを通じて視聴者が配信者により直接的に金銭を送るシステムなどが主な収益です。
イベント・番組への出演
新作のゲームイベントの試遊やエキシビションマッチなど、イベントや番組へ出演した際の選手たちの出演費用です。大会の解説や、発売前のゲームの調整を目的とした試遊の依頼など、ゲームに関しての深い知見から独自の依頼が来ることもあります。
チームグッズなどマーチャンダイズ
チームユニフォームのレプリカや、アパレル、PC・周辺機器のコラボレーションモデルなど、様々なマーチャンダイズが行われています。国内でもプロゲーミングチームの“CrazyRaccoon”が渋谷にてオフィシャルショップである“CRAZY RACCOON STORE”を出店するなど、積極的なグッズ展開が行われています。
スポンサー契約などのパートナーシップ
チーム全体との契約や、特定の選手との契約など様々な形態があります。チームの場合は主にスポンサーロゴのユニフォームやウェブサイト、選手のライブ配信への掲出が行われます。個人の場合は、選手がイベントや大会で使用しているデバイスやアパレルをスポンサーが指定のものとする事例が見られます。
JCGでもプロゲーミングチーム“Sengoku Gaming”様と株式会社クレディセゾン様のスポンサー契約のサポートを行った事例があります(※3)
参考:プロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」が「セゾンカード」とのスポンサー契約を締結(外部リンク)
まとめ
国内eスポーツ市場の拡大により、世界に挑むチームや選手も多くなりました。そのため近年では練習の量や質だけでなく、コーチやアナリストなど選手のプレイをサポートするスタッフの重要性も注目されるなど、チーム全体に高度な専門性が求められるようになりました。
またチーム運営を継続していくために、営業やデザイナーなど、オーナー・選手以外のスタッフを抱えるチームも多く存在し、様々な収益方法が模索されています。
ひとつのプロゲーミングチームにいろいろな方が関わり、試合やイベントで素晴らしいプレイが生み出されています。
もしeスポーツの競技シーンにご興味を持たれましたら、ぜひ一度大会をご覧ください。
JCGではeスポーツのイベント開催や番組制作に関するご相談を受け付けております。
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