
「世界中の人々が健康で豊かに生活できる未来を届ける。」をミッションに、健康に配慮した冷凍宅配食をサブスク形式で提供する「nosh(ナッシュ)」
様々なプロゲーマーやゲームストリーマーがPRを行っており、ゲーム好きの方ならサービス名を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回のインタビューでは、noshを展開するナッシュ株式会社様より、広報/PR課の重永 直気(しげなが なおき)様と、同じく広報/PR課の黒見 繭(くろみ まゆ)様に、eスポーツをPRに活用した背景や実施にいたるまでの課題と解決方法、そして活用の秘訣をお聞きしました。

eスポーツをプロモーションに活用している「ナッシュ株式会社」とは
―貴社はどのような事業やサービスを展開されていますか?
私たちナッシュ株式会社は「世界中の人々が健康で豊かに生活できる未来を届ける。」というミッションのもと、冷凍宅配食サービス「nosh」を展開しています。サービスは2018年から開始しましたが、会社自体は2016年に創業しており、当初は広告代理店事業などを行っていました。
noshの特徴は垂直統合型ビジネスにあります。製品の企画開発から製造、広告、カスタマーセンター、システム開発に至るまで、すべてを自社で運営しています。この一気通貫の体制により、お客様のニーズに迅速に対応し、真摯に寄り添ったサービスを提供しています。
―お弁当の種類も非常にたくさんあるnoshですが、このサービスを始めたきっかけはなんでしょうか。
糖質30g以下、塩分2.5g以下と栄養面に配慮した健康的なお弁当をご提供することで、生活習慣病を未病予防することが我々の目的です。
なぜこの目的になったのかと言いますと、代表が前職で葬儀紹介サービスに関わっていた経験が背景にあります。
遺された人たちと関わり合うことで、現在を生きている人々に幸せを届ける仕事がしたいと考えたんです。その中で「人の死因の多くに関連している生活習慣病を減らしたい」という思いがあり、nosh立ち上げの原点となりました。
―習慣病と言うだけに、日頃の生活の改善を行わないと予防が難しいですよね。
そうなんです。生活習慣病は他の病気にも繋がります。そのため糖質や塩分に配慮した製品設計を行い、その点に特化したサービスとしてnoshが誕生しました。
味の面でもこだわっています。健康的な食事は、味が薄かったり量が少なかったりして満足感に欠けることが多く継続がしづらいですが、noshは違います。
また、健康はバランスの取れた食事を長く続けてもらうことが重要なのでサブスクリプション形式を採用しています。
―noshにはプレミアムという特別なメニューもありますよね。
プレミアムメニューは糖質と塩分基準を守りつつ、さらに美味しさを追求した製品群です。例えば、日常的に健康的な食事をしている方が、特別な日に少し贅沢したいときに選べるような製品を提供しています。
また、季節限定のイベントメニューも展開しています。お正月やクリスマス向けの商品など、ライフスタイルに合わせて多様な選択肢を提案しています。
―製品に関して特にこだわっている点はありますか?
やはり味ですね。塩分を抑えつつ旨味や酸味、スパイシーさを工夫して、満足感を高める味付けを実現しています。美味しく継続していただくことで、私たちのミッションである「世界中の人々が健康で豊かに生活できる未来を届ける。」を実現したいと考えています。

noshはなぜプロモーションにeスポーツを選んだのか、その狙いと事例
noshがeスポーツに取り組もうと思った背景とは
―まずはnoshでeスポーツに取り組もうと思った背景についてお聞きかせください。
新規顧客を増やすためにeスポーツを活用しています。弊社では社会全体の健康を目的としており、特定のターゲット層に届けたいというわけではありません。いろんな方に使っていただける製品を提供し、社会課題を解決することが大事だと思っています。そこで、これまで手を出していなかったジャンルとしてeスポーツでのPRに取り組んだというわけです。
また、会社上層部がゲームやストリーマーが好きだったということもあります(笑) なので、PRをしてもらえれば成果が上がるだろうという肌感覚があったそうです。
eスポーツをされている方々は配信に多くの時間を費やし、食生活が不規則になりがちです。noshはまさにそうした方々に向けた製品やサービスであり、そういった点でマッチした部分もあります。
さらに、健康だけでなく、時間の効率化(タイパ)という点で、ストリーマーの方々やファンとして配信を見ている皆さんに非常にフィットしていると考えています。
noshがeスポーツで行っている取り組みの狙いと事例
―noshのPRをプロゲーマーやストリーマーの配信でよく見かけますが、どういった狙いで行っているのでしょうか。
新規顧客獲得のためにPRをお願いしています。
プロゲーマーの方は視聴者と境遇が近いことが多く、生活習慣やゲームの共通点があるため、視聴者が自分ごととして捉えやすいのが特徴です。これが他のジャンルよりもわかりやすい部分だと思っています。
サッカーをしていた私としては、憧れの選手が食べているものを真似するような感覚に近いのかなと思います。PRにおいてもそのような伝え方ができないかと思い、ご相談をしております。
―eスポーツとの親和性が高いと考えられたんですね。他にもnoshはプロチームのDetonatioN FocusMeにスポンサーされていますよね。
そうですね。まず最初に、プロチームの皆さんに製品の提供を行うことに取り組みました。チーム単位で食事面を管理するのは結構大変で、なかなかアプローチできてないという前提があるようです。
noshではない健康食品を利用してみたものの「選手の商品への反応があまり良くなく、上手くいかなかった」という経験もあるみたいなんです。なのでプロチームの方からnoshを試してみたい、というお声をいただくことも多いです。
今回の取り組みではプロチームの皆さんが活動や企画を行うに当たっての予算を協賛費として支援しています。チーム側へはnoshの新顧客を増やすための施策として、プロチームのメンバーを活用したPR活動をお願いしています。
―大会へのスポンサードも目にします。
最初に協賛させていただいたのは、おそらく2022年の「VALORANT Champions Tour 2022 Stage 2 Masters Copenhagen」だったと思います。その当時はまだeスポーツが現在ほどは盛んに行われていなかったと思います。
私たちの目標である新規のお客様を増やすことはもちろんですが、社会課題への貢献という点でも、eスポーツの選手やストリーマーは不規則な生活を送りがちで、健康面で支援できる余地があると感じています。そのため、新規顧客獲得と同時に社会的な貢献ができる点も魅力です。
協賛を通じて大会を盛り上げることができる点もあります。協賛することで、賞金の増加や大会のレベルアップにつながり、視聴者にとってもプラスになると考えています。
―ありがとうございます。noshの色んな人たちの健康を支えたいという理念と、プロチームや大会の「シーンを大きくしたい」というニーズが一致したんですね。
今のように相性の良い方々とさまざまな形で協賛させていただけることに感謝しており、eスポーツの発展に少しでも貢献できればと思っています。
eスポーツを活用したPRは成功したのか
―noshがeスポーツを活用してターゲットとしている顧客層と、実際にどれくらい効果があったのかをお聞きかせいただけますか?
私たちが重視しているのは新規獲得だけでなく、今までターゲットにしていなかった層を狙うことです。例えば、ファミリー層や社会人になりたての層、特に男性へのアプローチを強化しています。
noshのターゲット層はかなり広範囲で、特定の年齢層に絞っているわけではありません。ですがSNSマーケティングなどを通じて、若年層に偏ったユーザーにリーチしているので、その層が多くなっています。
ただ25歳以下になると、社会人1〜2年目や大学生が多く、実家から通っている人が多いため、食事に関するニーズがあまりない場合や、収入面でも購入できるかどうかの問題が出てきます。そのため、ターゲットとしては25歳以上を重視しています。
―新規顧客の獲得効率で実感のある施策はどんなものですか?
ストリーマーの方が単体で行うPRはやはり1番数字がガッと伸びますね。特定の購入数があると「新規会員が増えた」としているのですが、その数字がしっかり出ます。
―ストリーマーの方のPRの特徴などはありますか?
平均でこれくらい、などの数値は言えないのですが、YouTuberなどのインフルエンサーよりも、eスポーツ関連ストリーマーの方が会員登録数が圧倒的に高いです。
視聴者のデモグラフィックとストリーマーのデモグラフィックがかなり近いため、ターゲット層への刺さりやすさが大きいですね。YouTuberの場合、男女比率が均等だったりターゲットが広すぎることが多いですが、eスポーツ系は視聴者の9割が男性で、年齢層も25歳から34歳がメインなので、非常に親和性が高いです。
このため、ターゲット層に「これ、まさに自分にぴったりだ!」という反応が得られやすいのです。
―特に印象的だったエピソードはありますでしょうか。
ボドカさんやk4senさんにお願いしたPR配信が動画化されたのですが、その動画が他のコンテンツと同じかそれ以上に再生されるという現象が起きました。
ボドカさんは晩酌をしながら自然にnoshについて話してくれました。正直に「これはちょっとイマイチ」と言っていただくこともありましたが、それがまたリアルで伝わり、結果的に反響がありました。
最初はきれいに作り込むことがPRの基本だと考えていましたが、この経験を通してその考えが変わりました。逆に、ありのままで話してもらうことが、視聴者に響くのだと気づかせてもらいました。
―なるほど。ターゲットに近いストリーマーの方を起用し自然体で評価してもらうことで、視聴者にとっても関わった皆さんにとっても良い施策になったんですね。eスポーツ大会でのPRはいかがでしょうか。
効率としてはストリーマーの方との取り組みのほうが効果が高いのですが、それぞれが別の役割を果たしていると考えています。
配信の場合、1時間しっかりとnoshについて話してもらって、その後動画の切り抜きなどが上がります。しかし大会の場合メインは大会の進行で、PRはインフォマーシャルやCMのような形で行われます。
ただ、視聴比率や視聴数は大会の方が圧倒的に多いので、新規獲得のアプローチも大会の方が効率的に行えると考えています。マーケティングの基本として、再生回数が多いところからアプローチすることが重要だと考えており、その点では大会の視聴数が大きな役割を果たしています。

eスポーツを活用したプロモーションで大事なこと:成功の秘訣と乗り越える壁
eスポーツでプロモーションをするために大事なこと
―eスポーツをPRで活用する中で、重要なことは何でしょうか?
ストリーマーの方には、自分の生活の中でどう使うかという点と、どういうところにニーズがあるかという部分を話してもらうことが大事だと思います。
それと、製品に対する正直なレビューがこの業界では非常に重要だと感じています。ストリーマーの視聴者の方は、ストリーマーのことを普段からよく見て、信頼を置いています。そのため、もし私たちが意図的に言わせていると感じられると、視聴者はそれを見抜き嫌悪感を抱くことになります。
そういった点を考えると、正直な意見をしっかり伝えてもらうことが大切で、私たちもありのままの姿でnoshを見てもらいたいと思っています。
―「ここはイマイチだけどここはすごくいいから、そういうのが好きな人は気に入ると思う」という言葉で、私も実際に購入に至った経験があるのでよくわかります(笑)
ゲーム業界のユーザーは、他の業界の人々よりもアドブロックを使っている人が多い。そのためリーチが難しい部分もあります。ですが、その高いリテラシーが信頼につながるので、信じている人が正直に言ってくれることが一番だと考えています。
eスポーツでプロモーションする際の課題とは
―eスポーツを使ったPRに関して、壁や問題はありましたか?また、どのように解決されましたでしょうか?
有名なストリーマーさんにPRをお願いする際に、最初は案件実施の可否率が低かったという経験があります。
例えば「これをPRしてください」と言っても、「いや、やりたくない」という反応が多かったんです。最終的には解決しましたが、最初のうちは「認知度や製品の安心感が足りないんだろうな・・・」と感じました。
ただ、影響力の高い方々を積極的に活用するとその反応が変わることが分かり、製品の受け入れが進みました。最終的に、仲間がやっているのなら自分もPRを受けてみようという流れになり解決しました。
今となってはそこがすごい魅力的だなと感じています。
お金を積んでもやらない人もいるし、逆にお金なんかいらないって言ってやってくれる人もいる。その主体性から来る信頼感が大切な部分だと思います。

noshとeスポーツのこれから
noshはeスポーツでどんな展開を考えているのか
―今後もeスポーツを活用していく上で、どういった取り組みを行いたいですか?
僕たちとしては、冠スポンサーとして大会をやってみるとか、番組に協賛するという形はまだ実現できていないので、そういった帯での取り組みをぜひやってみたいと思っています。
今は知名度があって人が集まる大会に僕らがスポンサードのメニューにのっとって出させてもらっている形ですが、今後はそのメニューを僕たちが作り、PRの流れや、視聴者が喜ぶような企画を自分たちで考えていきたいと思っています。
また番組協賛に関して。今はYouTubeが中心ですが、他のメディアで放送されている番組を年間スポンサーとして支援したり、面白い企画をサポートしたりすることで、新しい形でnoshを広める機会を作れたらと思っています。
noshの製品はどんな展開を行うのか
―nosh製品やサービスの今後の取り組みについてもお聞きしたいです。
冒頭でお話しした通り、noshを普段の食事だけでなく、いろんなシーンで使っていただけるような商品展開を考えています。クリスマスメニューやお正月メニューを昨年初めて販売したので、今後は父の日のメニューや記念日向けの製品を作ったり、そういった特別な日に食べられる製品展開を考えています。
今後も新しい商品やサービスが登場するのでぜひ楽しみにしていてください。
それと、2025年4月に家族だけでなく、愛犬の健康もサポートするため「nosh DOG」をリリースしました。
―どのような製品になるのでしょうか。
これまでのノウハウを生かし、noshと同じ品質の食材を使用した安心で健康的なドッグフードです。社内で嗜好性テストも実施しているため、食いつきには自信があります。独自の栄養価基準で健康にも配慮しつつ、まるで人と同じようなメニュー構成になっているため、ペットと一緒により特別な食事時間を楽しめるというかなり新しい形の製品となっています。
―最近はオフラインでのトライアルにも力を入れているそうですね。
そうなんです。デジタルだけでは届かない層にもアプローチしたいということで、オフラインにおけるポップアップでのトライアルも進めています。
試食していただいて、「noshって名前は知っていたけど、実際どういう製品か分からなかったから買うのに躊躇していた」という方々にも直接触れていただける機会が増えてきました。
noshのPRはいろんな層に届くようになってきているので、今後も広がっていくと思います。実際、販売数もどんどん増えてきており、現在は日本の総人口に相当する1.2億食を突破しています。
―凄い!健康的な社会の実現に近づいているんですね。
―それでは最後に、eスポーツファンにメッセージをお願いします!
noshを食べて、健康になりましょう!
これからも美味しくて健康的な食事を提供していきますので、ぜひご利用ください!
―ありがとうございました。
noshの製品は、ただ健康的であるだけでなく、現代のライフスタイルに寄り添った“続けやすさ”が魅力ですね。
eスポーツという新しいコミュニケーション手段を取り入れ、今後もより多くの人々の食生活を支え社会全体の健康に貢献していくナッシュ株式会社の挑戦に注目です。

nosh(ナッシュ株式会社)ホームページはこちら

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