eスポーツが採用されているアジア競技大会が2026年に名古屋で開催
アジアオリンピック評議会(Olympic Council of Asia – OCA)が主催する「アジア競技大会」が2026年、愛知・名古屋にて開催されます。
夏季オリンピック競技大会の中間年で4年に1度開催される「アジア競技大会」はアジア最大級のスポーツの祭典であり、OCAに加盟する45の国・地域が参加します。
3度目の日本開催となる今大会ではオリンピックでの採用も予定されるeスポーツが正式競技として採用されており、国内でも人気の高い「ストリートファイター」や『League of Legends』をはじめとする13のタイトルを採用した11種目が実施される予定です。
本稿ではeスポーツを正式採用するアジア競技大会について詳しくご紹介します。
アジア競技大会(Asian Games)とは?
アジア競技大会は先にも軽く触れた通り4年に1度開催されるアジア最大のスポーツの祭典です。
アジア地域のスポーツ分野での活動を取りまとめるアジア・オリンピック評議会が主催しています。
アジア競技大会は1951年のインド・ニューデリー大会から2022年の中国・杭州大会まで、19の大会が開催されてきました。
日本はこれまでに2度、開催地に選ばれており、1958年には東京を開催地とする第3回大会を開催し、16の国と地域の選手が参加しました。
2度目の開催となる1994年の広島、第12回大会では42の国と地域の選手が参加しています。
アジア競技大会の特徴は競技種目にあり、陸上競技や水泳など通常のオリンピック競技に加え、アジア特有の競技であるカバディやセパタクローなども採用された実績があります。
参考:【公式】第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)
2018年からはeスポーツも採用
アジア競技大会では2018年から段階的に、ビデオゲームを競技として捉えるeスポーツを競技種目として採用しています。
2018年に行われた第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバンアジア大会ではデモンストレーション競技としてeスポーツが採用されました。
引用:JeSUリリースより引用
日本では同大会へ代表選手を派遣するための選考会を「LFS池袋 esports Arena」で実施。『ウイニングイレブン 2018』、『クラッシュ・ロワイヤル』、『StarCraftⅡ: Legacy of the Void 』、『Hearthstone』、『League of Legends』の5競技の日本代表選手を送り出しました。
参考:JeSU「アジア競技大会 e スポーツ日本代表決定」
日本代表選手のうち『ウイニングイレブン 2018』のSOFIA選手とレバ選手、『Hearthstone』のTredsred選手が本戦に駒を進め、SOFIA選手とレバ選手は優勝を飾りました。
参考:4Gamer.net『[TGS 2018]国際競技大会のeスポーツ部門で戦った日本選手が見たものとは? 「第18回アジア競技大会」の凱旋報告会が行われる』
翌大会となる第19回アジア競技大会杭州アジア大会ではeスポーツが正式種目として採用され、『League of Legends』や『Dota 2』といった世界的に人気な7タイトルが競技に選ばれました。
引用:JeSUリリースより引用
日本からは『PUBG Mobile』、『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』、『League of Legends』の3種目で代表選手が送り出されています。
参考:JeSU「第19回アジア競技大会(2022/杭州)eスポーツ競技」
同大会に出場した代表選手たちはそれぞれ『PUBG Mobile』部門で5位入賞、『STREET FIGHTER VCHAMPION EDITION』部門ではカワノ選手が7位タイ、マゴ選手が9位タイ、『League of Legends』部門は10位という結果を残しました。
2026年大会は32年ぶりの日本開催
2026年に愛知・名古屋で開催される第20回アジア競技大会は、実に32年ぶりとなる日本開催のアジア競技大会です。
第20回アジア競技大会でもeスポーツが正式種目に採用されており、前回大会よりも4種目多い下記の計13タイトル、全11種目で行われます。
- 対戦格闘ゲーム(3タイトル合同)
ストリートファイターシリーズ
TEKKENシリーズ
THE KING OF FIGHTERSシリーズ - ポケモンユナイト
- Honor of Kings(王者栄耀)
- League of Legends
- PUBG Mobile
- Mobile Legends: Bang Bang
- Identity V 第五人格
- Naraka: Bladepoint
- グランツーリスモ7
- eFootballシリーズ
- ぷよぷよ eスポーツ
現在、日本でも非常に高い人気を誇る「ストリートファイター」シリーズは「TEKKEN」シリーズおよび「THE KING OF FIGHTERS」と合同のチーム戦として実施されます。
日本でも人気の高いタイトルが多く採用されているため、日本からの代表選手も過去最多となることが予測されます。
参考:JeSU「eスポーツが第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)の正式競技に決定」
なお、OCAはeスポーツをアジア競技大会の正式種目から除外し、新大会を創設する方針を示しています。
共同通信によれば、2026年の第20回アジア競技大会がeスポーツが正式採用される最後のアジア競技大会で、以降は新設大会でチェスなどの「マインドスポーツ」と同時に実施されることが検討されています。
参考:共同通信「アジア大会、eスポーツを除外へ OCA、別の新たな大会創設」
名古屋ではASIA esports EXPOも開催
eスポーツを正式採用する第20回アジア競技大会の開催地に選ばれている愛知・名古屋ですが、2025年3月には大型のeスポーツイベント「ASIA esports EXPO」も開催されています。
愛知・名古屋eスポーツ活性化推進委員会が主催するこのイベントは、eスポーツ文化を普及することを目的に実施され、事前予選を勝ち抜いた学生代表チームと社会人チームが出場しました。
同イベントでは『ポケモンユナイト』や『ストリートファイター6』など4タイトルが採用され熱戦を繰り広げたほか、EXPOエリアでは体験コーナーなどでも盛り上がりをみせました。
eスポーツに関する国際的な動向についてはこちら
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まとめ
オリンピックでの正式採用など国際的にも注目の集まるeスポーツを正式採用したアジア競技大会が来年、2026年の愛知県で開催されます。
「ASIA esports EXPO」に続きeスポーツがさらなる盛り上がりを見せる愛知・名古屋でどのような熱い戦いが見られるのか。
eスポーツを競技種目とする新大会を創設するOCAがどのような動きを見せるのか、ぜひご注目ください。
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