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FPS(ファースト・パーソン・シューティング)ってどんなゲーム?ジャンルの成り立ちやeスポーツの歴史を解説!

2024.05.09

FPS(ファースト・パーソン・シューティング)ってどんなゲーム?ジャンルの成り立ちやeスポーツの歴史を解説!

FPS(ファースト・パーソン・シューティング)とは

世界的に人気なゲームジャンルであるFPS。

プロプレイヤーも多く、日本でも国際大会の観覧イベントが開かれるなどeスポーツとして広く知られています。

今回はそんなFPSの成り立ちからeスポーツとして親しまれるようになるまでの歴史や、人気のタイトルを紹介します。

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FPSの特徴

FPSはシューティングゲームのジャンルの一つで、銃などの武器を用いて相手を打ち倒すことを目的としたゲームです。

”ファースト・パーソン”とついている通り、一人称視点(キャラクターから見た視点)であることが特徴です。一方で、俯瞰視点のシューティングゲームは”サード・パーソン・シューティング(TPS)”と呼ばれ、ジャンルが分けられています。

ルールはゲームごとに様々で、チームに分かれて戦うものもあれば、1対1で行う個人戦のゲームもあります。現在では5対5のチーム戦で行われるゲームが主流です。

FPSの起源と歴史

FPSの起源(1990年代)

FPSの起源は、1991年11月id Software社が発売した『Catacomb 3-D』というタイトルです。魔術師が地下墓地のダンジョンを探検するというゲームで、プレイヤー人数は1人でした。平面的な画像をプレイヤーの立ち位置で変化させることで、擬似的に立体的な表現(3D)を実現していました。

その後、同社は1992年に5月に『Wolfenstein 3D』、1993年12月に『DOOM』とPC向けFPSゲームを立て続けに発売し、世界的に人気を博します。

これらのゲームはネットワークを介してのマルチプレイにも対応しており、この対戦要素などが後のゲームに大きな影響を与えました。特にDOOMはダウンロード販売に対応しており、全世界で1500万人~2000万人がプレイしたと言われています。

DOOMのゲームプレイの様子

また1993年12月にはFPSとして初めての競技的な大会がDOOMを使用して開催されています。

FPSの発展:オンライン対戦の実現

DOOMの発売後、様々なFPSゲームが発売されることとなります。

『HALF-LIFE』(Sierra Studios社 1998年発売)や『Unreal』(Epic games社 1998年発売)に代表されるストーリーを重視したゲームはもちろんですが、1996年には一般的なネットワークで対戦が行える『Quake』(id software社)が発売され、オンライン対戦が実現されました。

『Quake』『HALF-LIFE』『Unreal』の3作品は後のゲームに多大な影響を与えた3大作品として数えられています。

また2000年には現在もeスポーツとして人気が高いFPSゲームシリーズ『Counter-Strike(カウンターストライク)』(Valve社)が発売されます。HALF-LIFEのMOD(プレイヤーが開発したゲームの追加要素)として始まったこのゲームは、ゲーム販売プラットフォームSteamを展開するValve社によって独立したゲームとして開発、発売されました。

FPSの国際大会とプロゲーマーの出現(1990年代後半~2000年)

DOOMやQuakeなどFPSによる対戦が賑わいを見せると、賞金のついた大会が開かれるようになりました。これらの大会で賞金を獲得していた方鏞欽 氏は世界初のプロゲーマーと言われています。

1997年にはFPSの大会シリーズであるCyberathlete Professional League(CPL)がアメリカ・ダラスにて設立され、FPSの本格的な競技化が始まります。

2000年には”eスポーツのオリンピック”と呼ばれている『World Cyber Games(WCG)』が韓国にて開催、『エイジ オブ エンパイアII』、『FIFA 2000』、『StarCraft: Brood War』、『Quake III Arena』の4タイトルが採用されました。

WCGでは世界17カ国で予選が行われ、180名の選手が参加し世界一位の座を争いました。
このときQuake III Arenaで優勝したFatal1ty選手は注目を集め、その後の活躍も有り伝説的なプロゲーマーとして記録されています。

WCG 2000は日本でも『Quake3』、『Age of Empires II』、『StarCraft: Brood War』の3タイトルで予選が行われました。この予選を通して日本代表として進出した選手の中には、後に日本初のFPSプロゲーマーを輩出するチームを結成するなど、国内eスポーツシーンに多大な影響を与えたプレイヤーも居ました(※1)

※1)参考:eSports World記事 【特集:eスポーツ昔ばなし】第1回 誰も知らない本当のeスポーツ元年(外部サイト)

FPSのビッグタイトル発売と大規模イベントの急増(2000年~2010年代)

2000年代に入ると、現在も続く人気タイトルが発売されます。
2002年9月には『BATTELIELD(バトルフィールド)』シリーズの1作目が、2003年10月には『Call of Duty(コール オブ デューティー:CoD)』シリーズの1作目が発売されます。特に、CoDシリーズは後にフランチャイズ累計売上が4億本以上となるビッグタイトルに成長していきます。

また2012年にはCounter-Strikeシリーズの続編である『Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)』がリリースされます。CS:GOは北米を中心に人気を博し、WCGや”Intel Extreme Masters(IEM)”など大規模な国際イベントでも採用され、百万ドル規模の賞金をプロチームが争うようになります。

Counter-Strikeシリーズは特に競技シーンが人気を博しており、大規模なeスポーツ大会が行われています。

2023年のIEM CS:GO決勝戦の様子

新しいFPSタイトルの発売と日本のeスポーツシーンの盛り上がり(2010年代後半~)

2015年に『レインボーシックス シージ』(Ubisoft社)が、翌年2016年には『オーバーウォッチ』(ブリザード・エンターテイメント社)が発売され話題を呼びます。
また2016年には日本初の複数タイトルを採用した国内eスポーツリーグ『日本eスポーツリーグ』が開始、オーバーウォッチがタイトルの一つとして採用されました。

2017年にはバトルロイヤルゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS』が発売、翌年2018年に公式認可の日本リーグ『PUBG JAPAN SERIES』が開幕し、シューティングゲーム全体の人気を押し上げ、Dep 氏や関優太 氏、SHAKA 氏など多数のプロプレイヤーやストリーマーが人気を集めます。

またこの年にはレインボーシックス シージの国内チームである『eiNs』がアジア太平洋地域代表として公式世界大会の決勝トーナメントへ進出するなど(※2)、日本選手の国際的な活躍が始まります。その後2019年に同ゲームにて国内プロチーム『野良連合』が世界大会ベスト4入りをし、レインボーシックス シージにおいて日本の存在を確固たるものとしました。

※2)参考:ファミ通.com レインボーシックス シージ』日本チーム“eiNs”とSix Invitationalを振り返る ドリームマッチ出場やブースの模様をお届け(外部サイト)

2019年にはFPSバトルロイヤルゲーム『Apex Legends』(エレクトロニック・アーツ社)がリリース、つづく2020年に『VALORANT』(ライアットゲームズ社)がリリースされました。

これらのタイトルは日本チームの活躍が目覚ましく、特にVALORANTでは2022年にプロチーム『ZETA DIVISION』が世界大会で3位となり一躍話題に、VALORANTの国内人気に火をつけることとなりました(※3)

またApex Legendsでは2024年にプロチーム『REJECT』が世界大会で優勝。同ゲームでは北アジア太平洋地域のチームとして初の栄誉に輝き、30万ドルの賞金を手にしました。(※4)

※3)参考:ファミ通.com ZETA DIVISIONが『VALORANT』世界大会VCTで3位の快挙を達成、日本FPS界の20年の挑戦がついに実を結ぶ。弱小国が生んだ英雄たちの軌跡(外部サイト)
※4)参考:ライブドアニュース 賞金総額100万ドルの世界大会で初優勝 日本のプロeスポーツチーム『REJECT』(外部サイト)

VCT Masters Reykjavík 2022 ZETA DIVISONの様子

現在では国内でもFPSの大規模なeスポーツイベントが開かれ、2022年に開催された“RAGE VALORANT”は当時国内最多動員数である2万3千人超の動員を記録しています(※5)

※5) 人気の国内eスポーツイベントをご紹介!eスポーツを実際に観戦してみたい方必見!(JCGサイト内)

まとめ

FPSに代表されるシューティングゲームは国際的には25年以上の歴史を持つジャンルで、現在では国内でも多くのプレイヤーに愛されるゲームジャンルです。

北米や欧米から始まった競技シーンは日本にも波及し、日本人選手の国際的な活躍が始まっています。

国内でも大規模なイベントが行われていますので、ぜひ選手の活躍をその目で見てみてはいかがでしょうか。

 

 

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